46 ふるさとの山〔金山町〕

管理番号 4219 毛無し岩・雪倉岳

 日本百名山の著者・深田久弥は『日本人はたいていふるさとの山を持っている そしてその山を眺めながら育ち成人してふるさとを離れても、その山の姿は心に残っている』と書いています。
しかしその多くは 「名のある山」 を指す場合が多いようにも思われます。

 ここに紹介する 星賢考さんのふるさとの山は、  『小学校と中学校に勉学しながら、圧倒的な威圧感で四方を睥睨するこの霊峰を、飽くことなく眺めていた』  ふるさとの無名未踏の山でした。数度の挑戦でようやく踏破した感激を書いておられ、『雪倉岳』と命名しております。

 その登頂記は筆致もすばらしく、地形図を見ながらこの文章を読んでいると、自分も登っているような錯覚にさえとらわれ眼前に壮大な光景が迫ってくるかのようです。その一部を紹介させていただきます。

 『 ・ ・ ・ 岩稜帯はやせた馬の背となって両側の千尋の幽谷に切れ落ち、奈落の深部には長大な滝が三段に連なって落下し、不気味な滝つぼを天空にさらしながら威嚇している。
 やがて山道はすぐに尽きる。そこからは柴やぶを切り開き、熊の遠ぼえにおびえながら、ひたすらなたを振るう。稜線は次第に雪倉の主稜線に交わり大岩稜の一角に到達しても頂稜は柴やぶに覆われて頑強に人間の行く手をさえぎってくる。
 ようやく頂稜の最長点に立った時に、私の肉体は疲労困ぱいの極致に追い込まれていた。
 
 雪倉岳は圧倒的な大眺望で迎えてくれた。雪化粧をした飯豊連峰は雲海を突き破って屹立し、「大蛇棲みし霧ケ窪」の沼沢湖の水鏡はかなたの山上できらめき、眼下には只見川が長大な肢体ををくねらせながら峡谷を貫いていた。 会越国境の名だたる名峰が幾重にも重なって壮大に展開していた。』

 
※ このようにすばらしい ふるさとの山・『雪倉岳』、なんとか地形図に山名として載せたいものです。なんとかならないものでしょうか ・ ・ ・ 。

※ 国土地理院に問い合わせてみましたところ、地形図への山名の登記は、
  ①山の名称は主要なものについて表示を行うこととしております。
  ②見やすさの観点から適宜取捨選択を行うこともあります。
  ③地元自治体からの申請に基づき表記しています。
   との回答がありました。

(2015年12月)